「本当にそんなんじゃ社会人として、やっていけないよ」という言葉を、いかにも嫌そうな表情を浮かべてK氏がおっしゃったので「すいません」と謝った。

「別に言わなくったっていいんだからこんなの、あなたのために言ってるの」という言葉を聞いて、「〜のために」とわざわざ付けるのも恩着せがましいなと思いつつ「すいません」ともう一度謝った。別に落ち込んでいない風を装っていたが体がズンと重くなる。ベランダに移動してじっとしていたら、眠くなってきてしまった。心配して様子を見に来た女性がこちらを見るので、「私はK氏のこと、好きなんですけどね」と笑い、何が言いたいのか自分でもよくわからなかった。

好きというのは恋愛的な意味などではなく、好きか嫌いかで言ったら好きなほう、ということ。好きなほう、に対して、私は愛想が悪くなる。繕った態度をすぐに見透かされそうだから。なんというかぶっきらぼうな感じになるのだけど、同じくK氏もぶっきらぼうに見えたし、時々詰まるように言葉を出すことのあるK氏の人間性は信用しているのだった。

 

私は自分を信用していないので、怒られると「まともな人が現れた」と感じる。だから、謝るよりありがとうございますと言うべきだった。そういえばどんな顔をして怒っているのだかは、しっかり見ておかなくちゃと、K氏が怒っている時の目がどんな目をしているのか、じっと見た。目をそらされた。下を向いていた方が良かったのかもしれない。本当にごめんなさい。こう書きつつ、実はあまり反省はしていない。なぜなら反省しようと思うと眠くなるから。

 結局K氏と和解して、スパゲティーをご馳走になる。

昨日は娘の誕生日だったという。娘さんはワイヤレスのイヤホンが欲しいそう。思えば私も、高校生の時に父親にちょっと良いイヤホンをプレゼントに買ってもらったことがある。それを伝えると「そういうものなのか!」と声音がうわずっていて、面白かった。この方もお父さんなんだ。