久しぶりに2時間ほど外をほっつき歩く。

ひんやりした空気が心地よく、月が綺麗でどこまでも歩ける気がした。実はそのまえに色々気持ちが落ち着かず、飲めない酒を飲んで体が火照りすこしのあいだ眠ってしまった。それから半端な時間に目覚めてからはやることがなく、また酔いが覚めた頭でいらぬことを思い浮かべてしまうまえに、散歩にでかけようと思ったのだ。


だいぶ歩いていくなかで、なんだか急に幸福な気持ちになって顔がにやけてしまった。月が綺麗だったせいか、嬉しかったことを思い出したせいか、少し先の楽しみなことを想像したせいか、まあ理由はいくつかある。 調子に乗るな、と心のなかで呟いたもののずんずん歩むスピードが速くなっていった。足が軽く感じられたのだ。

いつもは細い道を好んで歩いているけれど、さすがに深夜、人気の無い道を歩くのには躊躇して、車のライトや電柱の灯りが絶えない大通りを永遠に歩いた。


ずんずん歩いているうちに二時間は経過して足が痛くなる。気付けば小道を歩いていた。それからまた変なことが頭に浮かび、次第に足も心も重くなってくる。

今日の朝、妹に優しくできなかったことや、期待をさせて期待を裏切るようなことを言ってしまったこと。寂しそうな顔を思い出すとたちまち心に錘が乗っかったようになり、そのまま部屋に戻るともうだめだった。父親の写真の前で、懺悔をすることしかできなかった。けれどそんなことを父は望んでいるはずもない。


妹も母もたしかに元気なのに、元気なうちに凹んでどうするというのだろうか。

家族であっても各々何を考えているかなど、本人でなきゃ分からないのに、勝手に気持ちを汲み違えて、自分の感傷に置き換えるのは失礼だね。


今日の散歩はとても良かったんだ。

良い散歩の報告を聞いてくれた人もいて嬉しかった。